黄色い汁が止まらない口唇炎

口唇炎の漢方相談の中には、黄色い汁が全然止まらず、それが皮の肥厚となっているパターンがちょくちょくある。

汁が出ていることを理解している人、全く理解していなかった人など、実にさまざまであるが、とにかく皮がゴツゴツとし、金平糖のような歪な形になりながら、黄色みが強い場合には、確実に「水分」が関わっていることは間違いない。

この水分の出所は、体内からの肌汁のパターンと外部からの水分の侵入のパターンの2つのパターンに分けられる。

その中で、体内からの肌汁のパターンでは、細菌感染、真菌感染、アレルギー、炎症、紫外線による毛細血管の異常拡張などその原因が多岐にわたる。しかも口唇の表皮層は驚くほど薄いため、バリア機能が皮膚に比べて脆弱で一旦汁が出始めるとなかなか止まらない。

このときには大抵の人が皮膚科や口腔外科に行く。

そこで専門医がしっかりと対処してくれればよいのだが、中にはいろいろなことを試すも一向に改善せず、最終的にこちらに相談に来られる場合もある。

一般的には、西洋医学的な治療で十分対処することはできるはずなのだが、それでは全く改善しないケースがあるのが不思議。この場合は、なぜその症状が落ち着かないのかを十分に検討した上で、肌汁の色・量、細菌感染の有無、ステロイドに対する反応などあらゆる角度から状況を分析して原因を追究する必要がある。

中には半年以上、時間がかかることもあるが、原因さえ突き止めることができれば、改善することは十分に可能でもある。ただしそこまで丁寧に付き合ってくれるところがないから、僕のような市井の漢方薬局の薬剤師が頑張るしかない。

黄色い汁が止まらない口唇炎も何十症例と経験してきたが、こいつだけは本当に厄介なのは間違いない。