暴飲暴食で生じた剥脱性口唇炎

20代の関東地方に在住の女性

就職してからこれまでの生活習慣が変化し、外食が多くなり、やや暴飲暴食気味になっていたところ、徐々に口唇がおかしくなり、口唇がベタつく、皮を剥がさないと違和感が出るなどの症状が起こるようになっていた。

皮膚科を受診し、ワセリンやステロイドを処方されるものの症状が改善することはなく、大学病院に転院。

医師にはステロイドをしっかりと続けるように言われ、指示通りに使用していたが、それによって免疫力が低下しカンジダが繁殖してしまった。

医師の指示通りに薬を使用していても一向に症状が改善しないため、当店に訪れることになる。

症状は、皮が水分でふやけ、すぐに剥がれる。痛みやヒリヒリ感はない。口唇の乾燥感は強いが、逆にベタつき感もあり、違和感が常にあるとのことであった。

この状態から炎症系の剥脱性口唇炎ではないと考え、口唇の皮再生を促す漢方と活血剤を使用したところ、徐々に症状は軽減し、乾燥感およびベタつき感で悩むことはなくなったとのことである。

また口唇の画像では、唇のシワが明らかに浅くなり、口唇のハリがしっかりとして皮の状態も安定している。

今後は、より口唇の皮再生を促す方剤に変え、活血解毒作用のある生薬を使いながら、患部の血流と新陳代謝を活性化し、根治に向けて処方を組み立てていく予定である。

本人も、病院に行ってもよくならなかった症状が、少しずつ、しかし確実に好転していることがとてもうれしい様であった。

この女性は暴飲暴食により口唇の状態が著しく悪化する傾向があるので、もともと胃腸が強くないものと考えることができる。したがってこれから状態が良くなったとしても、あまり食べ過ぎないように心がけておくことが大切である。