口唇炎を治すためには内外からアプローチする必要性がある

これまで数百例に及ぶ口唇炎系統の疾患の漢方相談にのってきたが、剥脱性口唇炎系では、大まかに3つのタイプに分類できると愚考している。

その大まかな3つの分類から、さらに細かな分類になっていくのだが、まずはその大まかな分類に合わせて使用する方剤を決定し、そこから細かな分類に合わせて中草薬などを微調節することで、内側からダメージを受けた口唇の皮が回復するきっかけをつかむことが必要。

しかし中には内側だけからアプローチするだけでは不十分な症例もあり、その場合には、外側から保湿・保護・脱保湿・ステロイド剤や抗菌薬・消毒などの対策を口唇の皮の状態を見極めながら、行う必要がある症例もある。

この外側からのアプローチは、意外と重要で、ネットの情報では、脱保湿など様々な情報が溢れているが、個々の口唇の皮の状態をきちんと観察しながら、適切な処置を行わなければ、改善の糸口はつかめない。

相談者が自分が今、何をすべきかをわかっていないまま、ネットの情報を元に色々と試すのは、ギャンブルに近く、外側からのアプローチの方法を間違えることで、良くなることもあればかえって悪くなることもあるので注意が必要だ。

今まで散々いろいろな口唇の症例を診てきて、ここ最近になってようやく外側からのアプローチの仕方がわかってきた。

これまでは内側からのアプローチを中心に、どこまで口唇の皮が回復させることを目的に分類ごとに使用する方剤を様々に工夫してきて、それだけでも口唇の皮を改善させてきたが、それだけでは片手落ちでなかなか改善しない症例に対し、「何をどうすればもう一歩先へ前進させることができるか」を考えまくり、ようやく1つの発想を得ることができた。

その発想を元に、外側からのアプローチの方法を吟味した結果、やはり内側だけで処置するよりも効果的に口唇の皮の状態が安定する症例が出てきた。

これらの結果を踏まえ、口唇炎を治すためには、内側からのみならず、外側から、口唇の皮の状態を詳細に確認した上で適切なアプローチをすることが必要になる。