なんで剥脱性口唇炎になってしまうのか?

剥脱性口唇炎の新規相談が相次いでいる。

この疾患で悩んでいる人たちが多いということの裏返しだと思う。

西洋医学的な治療では、なかなか改善しないのだから、漢方家としてどうにかして改善できるようにありとあらゆる方向からこの疾患を見つめ、常日頃から研究を重ねておかなければならないと感じている。

といっても剥脱性口唇炎についての専門書や文献はそんなに多くない。

中医学の口腔疾患系の専門書でも、剥脱性口唇炎に関する項目にはありきたりなことしか記載されていない。

もちろん中国の中医系サイトを覗いても同様である。

であるならば、これまでの臨床経験から感じていることをもとに、様々な側面から検討し、理論を構築するしかない。

またそもそも口唇炎になった場合には、ほとんどの人がステロイドなどの外用薬で治るにもかかわらず、なぜごく一部の人たちがこの疾患になってしまうのか?

その答えは、今のところ体質にあると考えている。

もともとこの疾患になってしまうような下地がストレス、食生活の乱れ、運動不足、抵抗力の低下など生活習慣上の問題で形成されていたところに、運悪く急性口唇炎やその類似疾患を発症し、その「引き金」を引いてしまったと考えざるを得ない。

であるならば、剥脱性口唇炎を治すためには、長い時間をかけて形成された、その下地を丁寧に解決するしか方法はない。

過去の経験から言えば、その下地を丁寧に処置することで改善できた例は少なくない。

下地を改善することができれば、何かのきっかけで急性口唇炎を再度発症しても漢方と外用薬で比較的すんなり治すこともできている。

こういう臨床的な事実から、今のところ剥脱性口唇炎は、元々の体質でそのような疾患が起こりやすくなる下地があり、それが何かのきっかけで表面化してしまったために起ってしまったのではないだろうかと思わざるを得ないのである。