「剥脱性口唇炎だ」という思い込み

当店では、全国から数多くの剥脱性口唇炎の漢方相談依頼があるが、実際にこちらに来ていただき状況を確認すると、まったく剥脱性口唇炎とは異なる病態の方が多いのに驚く。

一般的に疾患名の診断については医師しか行えないので、相談予約時「剥脱性口唇炎」で悩んでいますということを聞くのであるが、問診の際にこの病名は医師からの診断があったのか否かを確認すると、相当数の方が「ネットで調べて自分でそう思った」という。

そのほとんどの方が皮膚科などの受診歴があるにもかかわらず、詳しい病名については何の説明もなかったというから更に驚きである。

クリニックでは満足な症状説明すらないのであろうか・・・

こちらは漢方薬局であり、僕は薬剤師の身分上、診断を行うことは許されていないため、当店で剥脱性口唇炎か否かの判断をすることはできない。

そして剥脱性口唇炎の可能性が低い場合に、その旨を伝えると安心したのか、みなさん胸を撫で下ろす。

これまで数多くの口唇炎関連の相談を受けてきたが、一言で口唇炎と言っても多種多様でかなりのタイプが存在しているのは間違いない。そしてその中には治りやすいタイプから治りにくいタイプまで千差万別であるため、一概にどれくらいで治るとは言い切ることができないのが現状である。

ただ1つ言えることは、「剥脱性口唇炎だという思い込み」を強く持っている人が案外多く、当店の相談でも剥脱性口唇炎と思われる人たちは実際の相談の半数程度であるような印象である。