喫煙習慣が剥脱性口唇炎に結び付くこともある

男性の剥脱性口唇炎の相談の場合、女性に比べ格段に喫煙者の割合が多くなる傾向があるように思う。

基本的に喫煙者における剥脱性口唇炎では、ほぼすべてのケースで「口唇の色が暗紫色を呈し、ところどころに色素沈着」がみられる。

これは喫煙による化学物質や一酸化炭素により、新鮮で栄養たっぷりの動脈血が老廃物・化学物質・一酸化炭素・二酸化炭素で汚れていることを意味する。

それにより口唇の正常な新陳代謝が傷害され、酸化ストレスや慢性炎症が起こり、剥脱性口唇炎に進展していると考えている。

この場合、剥脱性口唇炎を治したいのであれば、とにかく禁煙が必要。

それにより血液が汚れないようにすると同時に、今までため込んでいたもの=瘀血を徹底的に掃除しながら、慢性炎症・酸化ストレスを軽減させることで口唇の状態を徐々に回復させていくことができるようになる。

『金匱要略』の驚悸吐衄下血胸満瘀血病脈証には瘀血の症状として、
(10)病人胸満,唇痿舌青,口燥,但欲嗽水不欲嚥,無寒熱,脈微大来遅,腹不満,其人言我満,為有瘀血。

と記載されており、この中には「唇が萎えて舌が青くなる」という文字があるが、これこそが正に瘀血由来の剥脱性口唇炎と僕は考えている。

したがってこのタイプの剥脱性口唇炎を治すためには、活血化瘀剤・抗炎症・SOD作用を有する漢方を用いて、瘀血を処理することが必須となる。