剥脱性口唇炎 皮の肥厚に騙されない

剥脱性口唇炎では、ときに異常に肥厚した皮で相談に来られる方がいらっしゃる。

剥脱性口唇炎は西洋医学での治療が難しいため、他所で漢方を使用している方も多くいらっしゃるようだが、どんな漢方が処方されているのか確認すると、見た目の皮の肥厚と色合いに騙されて誤った漢方を処方されているケースが目につく。

廣田漢方堂では、剥脱性口唇炎の症例を数多く経験しており、常に生理的・病理的を冷静に捉えたうえで、どのような処置をすべきか、また剥脱性口唇炎が生じた経緯を詳細に確認し、局所病変か体質的病変化を考えたうえで処方を組み立てるようにしている。

その上で、口唇の皮の異常な肥厚については、本人が自覚しないレベルでの肌汁の漏出、もしくは表皮が浮いて死んだ部分に唾液・ワセリンなどの外用薬・食物の残渣物が付着し、それによってふやけて肥厚しているケースも決して少なくない。

そういう要因ではなく、剥脱性口唇炎の程度がとても酷く皮が本当の意味で分厚くなっているか否かは、その形状を詳細に確認すれば、ほとんど正確に把握することができる。

ただし目視だけでは難しい場合があるので、廣田漢方堂では口唇の皮を写真に撮り、その画像を拡大したりすることで判断することもある。

ともあれ、漢方で剥脱性口唇炎に対処していく場合、詳細に皮の状態を確認しなければ、正しい処置ができない。見た目のひどさに騙されて、冷静に判断できず、誤った漢方を続けた場合、良くなるものもよくならないことがあるので注意が必要。

また肌汁の漏出や表皮に付着した汚れで肥厚している場合には、適切な処置を行えば、比較的早い段階で改善させることが可能なのだが、それがわからない場合、原因がわかっていないのだから何をしてもよくならず、結果的に相談者の苦痛を軽減させることができなくなる。

剥脱性口唇炎は、普通の漢方相談とは違い、テクニックと経験が非常に大きなウェイトを占めるため、治せるか否かは術者の腕次第となる。