喫煙者の剥脱性口唇炎における注意点

剥脱性口唇炎では、剥がれる皮の色調をかなり重要視する。

皮の色が黒・黄色・灰色・白・半透明・透明では、それぞれ治す方法が大きく異なってくるからだ。

東洋医学では患部の色を非常に重要視するのだが、その一方で着色によるダミー現象にも注意する必要がある。

たとえば舌診では舌苔をよく観察して、熱があるのか、冷えているのかを判断したりするのだが、舌を診る前にコーヒーを飲んだり、飴を食べたり、ジュースを飲んだり、カレーなどを食べると、速攻で舌苔の色が変化する。

この色が変化するということは、本質を見逃すばかりか、全く違う所見から見当違いの方剤に結び附いてしまう危険があるのだ。

とくに剥脱性口唇炎において、アイコスなどの加熱式タバコではなく、普通のタバコを吸っている人の場合、タバコに含まれているヤニで口唇の皮が着色してしまい不自然な黄色っぽさや黒っぽさが出てくることがある。

これを皮の色と間違えてしまうと正しい漢方療法ができないので注意しなければならない。