剥脱性口唇炎では、実にいろいろなパターンがある。その人によって皮の厚み、剥がれるサイクル、範囲、色調、大きさなどが異なる。
今まで散々、この疾患と向き合ってきて分かったことは、うわべの状態に騙されたらダメということ。
大抵の人が、ワセリンなどの保湿剤を使ったりしているが、これでは保湿剤の影響で口唇炎の状態がどうなのかを確認することができない。
したがって当店では、漢方相談の2週間前から一切の保湿剤などの塗布は中止し、1日1枚写真を撮って、口唇炎の状態を時間経過とともに確認することを常としている。
また口唇炎の状態のみに捉われ、体質などを考慮しないと治るものも治せなくなる。体質を判断するためには、粘膜系の代謝がうまくいっているかどうかを確認するために、必ず舌の状態をチェックするようにしている。
こればかりでなく口唇の肉の赤み、シワの有無、溝ができているかどうかなども詳細に確認して分析するようにしている。
皮の状態が何であれ、なんでそんな症状が起こったのか?
それを解決するためにはどうすればよいのか?
その答えは身体から発せられている情報から推測するしかない。西洋医学による標準的な治療でよくならない口唇炎を改善するためには、広い視点から疾患を見つめるしかないのである。