剥脱性口唇炎の漢方での対応
難治性の剥脱性口唇炎になった場合、それを改善するための西洋薬はほぼ皆無と言ってよいように思います。
西洋医学の場合、外用薬あるいは内服のビタミン剤などの使用によって改善させようと試みることが多いですが、難治性の場合は外用薬そのものが悪化の原因になる恐れがあったり、ビタミン剤などは気休め程度のものにしかならないと思います。
改善の基本は、「代謝のリズムを取り戻すこと」ならびに「細胞の整列を整えること」の2点です。
漢方では、この2点に対し、それらを阻害している要素を取り除くことを主とするのか、それらの機能低下が主なのかを見極めていくことから始めます。
西洋医学と異なり、漢方では幸いにも体内から余計なものを取り除くという考え方であったり、低下した機能を底上げして活性化させるという考え方があり、それぞれに対応した生薬や方剤があるという利点があります。
難治性の剥脱性口唇炎を改善させるのであれば、この利点を利用しない手はありません。
具体的にどのような生薬であったり、方剤であったりを使用していくのかについては、個々の口唇の皮の状態、剥がれるサイクル、肥厚、着色、凹凸、乾燥、萎縮、割れ、範囲など、口唇を中心とした局所の状態から見極めていかなければなりません。
このときにその人が持っている体質や症状(頭痛や肩こり、目の疲れなど)を口唇の状態にリンクさせるのか否か、リンクさせようとするならば、それは従来の中医学における弁証論治となっていきます。
一方、そのような体質や症状があっても、それはいったん無視し、あくまでも局所的な口唇にフォーカスし、方剤を組み立てようとするなら、従来の弁証論治とは異なってきます。
この部分に関しても、体質なり症状が、口唇の状態と関係しているのか否かで判断したり、たとえば代謝を促進したいと考えている中で、代謝を阻害するような要因、たとえば精神的ストレスが強くて不眠傾向があったり、食欲が低下したりとか、デスクワークで1日中座りっぱなしであるとか、代謝を低下させたり、乱したりすると考えられる所見が見つかれば、それは考慮しなければならないでしょう。
逆に頭痛や肩こり、月経痛など、口唇以外にも不快症状があったとしても、それは口唇の代謝不良とはさほど深く関係していないと判断すれば、それらは一切無視し、口唇の状態の身を考えて処方を組み立てていくのです。
この疾患に対しては、延べ人数で考えれば、ゆうに1万は超える症例を経験し、その中で薬局で使用できる範囲のエキス製剤は生薬・方剤にかかわらず、ほぼすべて使用してきたと思います。
それこそ、何もないところからこの疾患のことを学び、分析し、処方を組み立て、そこからの変化を追いかけ、反省と考察を繰り返し、理論土台を更新し、さらに処方を組み立て直していくという作業を延々と続けてきました。
続く・・・

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