剥脱性口唇炎 雑感~その2~

剝脱性口唇炎において黄色味の着色が付く場合は、唾液を含む口腔内環境の影響が大きいと前回の投稿で記しました。

 

それと付随して重要なのは、口唇表皮が膜状様異常形体となりながらもバリア機能を有しているか否かという問題です。

 

基本的に歪な状態になったとしてもバリア機能がある程度担保されている場合には、口腔内環境が悪かったとしても、それらが表皮構造の内側に侵入することがないため、皮が着色したり、凹凸感が出たりすることはあまりありません。

 

その場合は、皴構造が消失した透明感のある膜状表皮がオーバーターンの乱れを伴い、長期間付着している状態が続くだけという状況になります。

 

剥脱性口唇炎に罹患し、膜状表皮となってしまった状態でバリア機能が働いているのか働いていないのかの状況は、それまでの本人がもつ表皮構造の強固さ、口唇ケア、気になるから頻繁に剥がす、外用の使用・外的水分の影響でふやけたりして頻繁にはがれるなどの要素によって左右されると思われます。

 

これらのことから、剥脱性口唇炎の着色・肥厚のパターンにおいては、前回も示したように口腔内環境の改善はもちろん、いかにして膜状表皮構造となってしまっていたとしてもバリア機能を回復させ、外的刺激の侵入を防げる状態に戻していくかという部分が重要になってきます。

 

このときにワセリンなどの外用を使用し、その油分で唾液や雑菌などのブロックができれば、内的構造の改善によるバリア機能の復活を行わなくてもよいのですが、バリア機能が破綻し外的刺激の侵入を許すような状況になっていた場合、ワセリンなどの油分そのものが外的刺激となってしまい、それがバリア機能をさらに低下させる要因になってしまうため、使用できないというジレンマが生じるわけです。

 

剥脱性口唇炎でのセルフケアで長期間、それらの外用を使っていた方が、脱保湿という手段があることを知り、外用の使用を一切中止したりしても改善しないという相談を本当に数多く受けてきましたが、外用薬に関しては明らかに使用しても問題ない症例ならびに確実に使用することによって逆に悪化させている症例も経験しており、本当にこれに関しては当人の口唇の状態によって判断しないといけないと実感しています。

 

現代では、病気になれば外科的手法や内科的手法、保存療法など多種多様な治療法が存在し、それに頼るケースがほとんどだと思いますが、剥脱性口唇炎において、口唇表皮構造の異常形体に端を発したバリア機能の低下に関しては、それらの手段が使えないというところが最大のネックとなっています。

 

これは口唇表皮の層構造の薄さ、もともとの脆弱性によるものですが、そこからどうやってバリア機能を回復させるのか・・・

 

ここに関しては、自分が持つ自然治癒力を信じて、正しいケアを徹底し、オーバーターンを阻害する生活習慣を見直し、とにかく新陳代謝が最大限に発揮される環境を作る以外にありません。

 

そこに加えて漢方にて、新陳代謝の向上を補助することによって口唇表皮構造の復活を目指していくのがよいのではと感じています。

 

剥脱性口唇炎では、中医学の弁証論治を主体とした方法はほとんど通用しません。本当に今まで自分が信じて勉強し、必死になって取り組んできたことは一体何だったのかというくらい無効です。

 

そこから学んだことは、当人の口唇表皮の構造ならびに口腔内環境を中心に、どんな生活習慣で過ごしているのかというところに着目しつつ、口唇表皮の新陳代謝を最大限に活性化させる方法論を立て、それに応じた生活習慣の改善ならびに方剤選択以外にないというところです。

 

つづく・・・

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